Day14 「線を越えて」

普段、ドミトリーでは最も遅くまで寝ているのを競うほどの私であるのだが、今日に限っては一番早くに起きだした。2段ベッドが計6つあるその部屋には、他に2人の旅行者が泊まっていた。昨晩遅くに到着した韓国人女性は、夜中1時ごろまで共有スペースで韓国の…

Day13 「Peaceful」

朝、船内アナウンスの音で目覚めた。「レストランが開きました。朝食をお召し上がり頂けます」というような内容の、アナウンスのようだ。今、この船はどの辺を進んでいるのだろうか。船が揺れているせいか寝起きのせいか、ふらふらとした足取りで部屋の外へ…

Day12-② 「Grazie Italia」

目を覚まして時計をみると、17時になろうかというところだった。フィレンツェから約2時間。ちょうど半分のところまで来たことになる。 車窓をみると、”Perugia”と書かれた看板が増えてきた。ペルージャという街は、フィレンツェとアンコーナの中間地点に位置…

Day12-① 「"Latest"」

1週間弱滞在したイタリアを、発つ。フィレンツェから、まずはイタリアの東、アドリア海に面するアンコーナという小さな港町へバスで向かい、そこからフェリーへ乗る。 Airbnbの宿のオーナーからは、11時までにチェックアウトするようにと言われていた。9時ご…

Day11 「右か左か...」

朝7時、外からのけたたましい鐘の音で目が覚める。近くに教会があるようだった。そういえば、モロッコのマラケシュでも、モスクからのアザーンの声で目が覚めた。日本で言えば、寺の鐘つきの音で目覚めるといったところか。音量の大きさには参ってしまうが、…

Day10 「酔」

現在泊まっている宿には、すでに3泊滞在した。フィレンツェには、あと3日いるつもりである。気分を変えるために、宿を移ることにした。 新たな宿は、民泊サービス"Airbnb"で予約した。フィレンツェ中央駅にほど近い今の宿から、美術館などが集まる中心部に近…

Day9 「異」

起きると、気怠さが身体を包み込んだ。虚無感。充実していた昨日は、もうすでに終わってしまっていた。 さて、今日はどうしよう。朝食を終え支度を済ませると、今日1日何も予定がないことに気づいた。そうそう、これだよこれ。ふと、笑いがこみ上げてきた。…

Day8 「青い春」

モロッコから続いた移動で疲れが溜まっていたのか、目を覚ますと9時を過ぎていた。起きあがり横を見ると、昨夜の女の子の方はすでにきっちり支度を済ませ、もう出掛けようかというところだった。ふと2段ベッドの上段にいる理系男子をみると、彼は私と同様に…

Day7 「It's a small world」

昨日出会った2人はマラケシュへ向かうため、ここで別れることとなる。また一人での行動が始まる。他人と行動した後に一人になると、やや寂しさがあるのが正直なところだ。「まだまだだなあ」。なにが「まだまだ」なのかはよくわからないが、寂しさを打ち消す…

Day6 「万事、見にゃわからん」

目を覚ますと、乗客たちが降りる準備を始めていた。GoogleMapで現在地を確認すると、間もなくフェズに着こうというところだった。時計はAM4時を指している。窓の外は真っ暗闇だった。 バックパックを担いで、バスを降りた場所から100mほどのところにあるフェ…

Day5 「甘え」

今日もまた、朝早く起きなければならなかった。自由に旅をしているはずなのに、ツアーという名の不自由を自ら選んでしまったからだ。ツアーの内容によると、朝の7時にベルベル人の家を出発するということだったのだ。 日の出とともに出発する。ラクダ使いの…

Day4 「言葉なんかいらない」

昨夜は暗闇でよく見えなかったが、私が寝たテントの周囲には、同じく旅行者用のテントがいくつか設置されていた。隣のテントに、日本人のファミリーが泊まっていた。小学生の男の子を連れた夫婦だった。アフリカの別の国に住むそのファミリーは、イースター…

Day3 「無」

5時前。宿の外からの力強い大音量で目が覚める。イスラム教の、礼拝を呼びかける「アザーン」の声だ。そういえば宿の人が、すぐ隣にモスクがあると言っていた。それにしても大きい音だ。初日ということで新鮮な気持ちで聞くことができたが、これが毎日となる…

Day2 「始まりの音」

飛行機から降り地面を踏んだ時、少しばかり感慨深いものがあった。窮屈な機内から解放されたこと、だけが理由ではない。自分は今、アフリカ大陸に立っているのだ。小さい頃、自分は一生行くこともないだろうと勝手に思い込んでいた、あのアフリカ大陸に。思…

Day1 「生き様」

モロッコまでのフライトは約20時間。 アブダビ行きの乗客は、日本人、欧米人、アラブ人、タイ人、インド人がそれぞれ同割合といったところか。途中、アブダビで降り、同じエティハド航空のモロッコ・カサブランカ行きへと乗り換える。こう書くと、すぐに着い…

Day0 「知る悲しみ」

桜の開花が発表されてから妙に寒い日が続き、やっと満開になった週末の、その翌日−。 出発前に近所の川沿いに桜を見に行ってみた。その日は気温も20度を超えるほどまで上がり、ピンクの桜の花が作り出す木陰を通ると、全身にふと気持ちの良い風を受ける。「…